新潮社
明智光秀の娘として何不自由なく育てられた玉子は、16になった時、織田信長の命令で細川忠興のもとに嫁ぐこととなった。女性が男性の所有物でしかなく、政略の道具として使われた時代に、玉子は真の人間らしい生き方を求めて行く…。実の親子も殺し合う戦国の世にあって、愛と信仰に殉じた細川ガラシャ夫人。その清らかにして熾烈な悲劇の生涯を浮き彫りにした著者初の歴史小説。
著者・訳者等:三浦綾子
●三浦 綾子:みうらあやこ●
1922(大正11)年、北海道旭川市生まれ。17歳からの7年間、小学校教師として軍国教育に献身したため、戦後に罪悪感と絶望を抱いて退職。その後、結核で13年間の療養生活を送る。闘病中にキリスト教に出会い、洗礼を受ける。1959年、生涯の伴侶・三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の懸賞小説に『氷点』で入選し、作家活動に入る。一貫してキリスト教の視点で「愛とは何か」を問い続け、『塩狩峠』『銃口』『道ありき』など数多くの小説、エッセイを発表した。1999年逝去。
ISBN:978-4-10116214-0
ホソカワガラシャフジンジョウ