出版社・製造元:一麦出版社
1539年、サドレート枢機卿がジュネーブ共和国に送った手紙と、これに答えた宗教改革者カルヴァンの手紙は、当時のカトリック側の主張と宗教改革側の主張が簡潔、明快に示されていて、「宗教改革の焦点」を理解するための第一級の史料といえる。
ノイザー(『カルヴァン』〔一麦出版社刊〕の著者)は「カルヴァンの文書中でこれほど読む人を魅了し、同時に明晰な文書はおそらく他にないであろう」と述べ、カルヴァンの後継者ベザは『カルヴァンの生涯』のなかで、サドレートの手紙がラテン語ではなく、民衆にもわかるフランス語で書かれていたならば、ジュネーブ市に大きな動揺を加えていたであろう、と書いています。
しかし、カルヴァンの返書のフランス語訳が出版されたとき、サドレートの手紙もはずすことなくフランス語訳にして出版されました。カルヴァンを追放した市当局もカルヴァンの手紙の説得力に圧倒されて、安心してそのような許可を与えたようです。
こうしてこの本は、カルヴァン自身による最初の出版以来、いつも、サドレートの手紙とペアにして出版されているのです。
著者・訳者など:
石引正志訳
ISBN:978-4-86325011-6
JAN:9789780000000