新教出版社
井上良雄(1907―2003)。
京大独文科卒。
戦前は新進の文芸批評家として注目された。
叔父は血盟団事件で暗殺された前蔵相井上準之助。
13 歳年長の女流作家仲町貞子と結婚。
その後、精神的彷徨の時期に仲町の勧めで教会に通い始め、またカール・バルトを読んだ。
1945 年 3 月、日本基督教団信濃町教会で受洗。
戦後は「キリスト者平和の会」の創立に尽力。
日本基督教団社会委員長を歴任。
また東京神学大学教授としてドイツ語を教えると共に、バルト『教会教義学』第 4 部「和解論」の全訳を完成した。
他にバルト『教義学要綱』など多数の翻訳がある。
著書に『大いなる招待』、『エデンからゴルゴタまで』、『神の国の証人ブルームハルト父子』 、『戦後教会史と共に』など。
【目次より】
第一章 父のことども
第二章 母のことども
第三章 京都帝国大学独文科時代
第四章 文芸評論家としての活動期
第五章 評論「芥川龍之介と志賀直哉」
第六章 范の言葉を楯として 1
第七章 范の言葉を楯として 2
第八章 「無為な、荒廃した日々」からの脱出
第九章 バルト受容における核心
第一○章 キリスト者平和運動と二元論
第一一章 北森嘉蔵との論争
第一二章 平和運動への参与
第一三章 オキツ夫人の死
第一四章 日本基督教団戦争責任告白をめぐって
第一五章 激動の時
第一六章 ブルームハルト研究へ
第一七章 ブルームハルト論の特質
第一八章 バルト『教会教義学』「和解論」の翻訳
第一九章 「社会活動基本方針」再検討の問題
第二○章 「世のための教会」
第二一章 結びに代えて――問いとしての井上良雄
著者・訳者など:雨宮栄一
ISBN:978-4-40021318-5
JAN:9789780000000