新教出版社
神の摂理と人間の自由
17世紀のプロテスタント正統主義・スコラ主義は思弁的で無味乾燥と評されることが多い。しかしほんとうにそうなのか。
本書は、代表的神学者でありジュネーヴで活動したトレティーニ(François Turrettini 1623–87)をとりあげ、宗教改革の偉大な発見を後代に継承する重要な結節点として彼を位置づけると共に、生涯を概観し、その神学思想の中でも特に神論に焦点を当てて再評価を試みる。
【目次より】
序 論
一 プロテスタント正統主義・スコラ主義への関心
二 フランソワ・トレティーニへの関心
三 一七世紀神学における神論への関心
四 神論の探究がもたらす信仰的・実践的な益
五 本講の構造
第一章 思想的・歴史的背景
一 スコラ主義とは何か
二 スコラ主義と諸運動
三 スコラ的方法論とその歴史的背景
第二章 トレティーニの背景と生涯
一 祖父フランセスコ
二 父ベネディクト(一五八七―一六三一年)
三 フランソワ・トレティーニの幼少期
四 フランソワ・トレティーニの教育遍歴
五 ジュネーヴでの働き
六 結婚・家庭・晩年
第三章 トレティーニの『論駁神学綱要』とその方法論
一 『論駁神学綱要』(Institutio theologiae elencticae)
二 『論駁神学綱要』の方法論
第四章 トレティーニの神論
第五章 トレティーニと今後の課題
一 残された神学的な諸教理
二 フランソワ・トレティーニの影響史
三 フランソワ・トレティーニの聖書解釈や説教の研究
結 論
著者・訳者など:青木義紀 著
判型:四六判
ページ数:202頁
ISBN:978-4-40031710-4
JAN:9789780000000
青木義紀(あおき・よしのり)
1976年長野県生まれ。東京基督教大学卒業後、都下で開拓伝道に従事。その後、改めて研鑽の必要を感じ、東京基督神学校、アメリカ・カルヴァン神学校、オランダ・プロテスタント神学大学大学院、ベルギー・ルーヴァン福音主義神学校で学ぶ。現在、日本同盟基督教団和泉福音教会牧師、東京基督教大学非常勤講師、お茶の水聖書学院講師。訳書:『改革派正統主義の神学』(教文館)、『広げて見る聖書・キリスト教歴史年表』、『地図で学ぶ宗教改革』(以上いのちのことば社)。