出版社・製造元:一麦出版社
1963年、シドニーで初めて「ライフライン」(いのちの電話)が開設されてから三十数年、現在は国際的な組織をもち、さまざまな形で発展してきた。 本書は、長年ライフラインの仕事に携わってきた著者が、実例も交えながら電話カウンセリングの心構えとノウハウを18章にわたってまとめたものである。 第12章「自殺」では、自殺電話を受ける相談員の責任を三点あげ、第一は自殺への考えや感情を言葉の端々からつかむこと、第二は死への決心の程度をさぐること、第三は生きたいという欲求の面を育てる方向で、優しく配慮することであると説明し、カウンセラーの応対ひとつで一人の人間の命を救えるか否かを左右してしまうと注意をうながす。 一見簡単そうな「傾聴」は、あらゆるカウンセリング技能のなかでも最も基本的で、最も難しいことである。顔の見えない電話で、相談者の声と口調からすべてを聴き取り、的確に対応する成熟した援助者となるためには、単なる技法を超えた援助のための哲学を持たねばならないと主張する。それは価値観の違いにもかかわらず、万人が持つべき援助のこころでもあることを教えている。 本書は、技法論中心の入門書と相違し、分かり易く専門的なカウンセリング理論の基礎と展開、学習を解説している。
著者・訳者など:
ISBN:4-90066620-3
JAN:9784900000000
978-4900666207