いのちのことば社
聖書は 「平和の福音」 と言われるが、一方で旧約聖書には戦争や暴力の記事が出てくる。 「好戦的」にさえ見える旧約の神ヤハウェは、 「あなたの敵を愛しなさい」とイエスが教えた愛の神と同じ神なのか? 平和神学を奉じるメノナイトの旧約学者が、旧新約を貫く「平和のビジョン」を解き明かす。
目次
序 論…………………11
戦争と平和について/メノナイト派からの視点/古代イスラエルの基本的アイデンティティ/本書の流れ
第1章 旧約聖書の戦争論…………………28
「ヤハウェは戦人(いくさびと)」/ヤハウェの戦い/ヤハウェ/王朝時代における戦争/旧約聖書の戦争論への評価/戦争の記述に関する解釈と評価/平和について
第2章 非暴力の平和論…………………77
ミカ4章3節/イスラエル民族の視点から/詩篇46篇9〜11節/非暴力の終末論的な意義/ヨナ書4章2節/神の平和と人間の恩讐/非暴力という生き残り戦略
第3章 解放の平和論…………………124
出エジプト記5章2節/抑圧者の救い/イザヤ書2章12節/裁きという課題/エレミヤ書22章2〜3節/解放者としての王/神の価値観を実現する王/イザヤ書9章6節/現実と終末論との交差
第4章 正義の平和論…………………161
詩篇62篇11節/真の宗教性/ゼカリヤ書7章9〜10節/現実への告発/出エジプト記20章10節/安息の理想/ホセア書4章1節/聖書の語る裁き
第5章 創造の平和論…………………198
詩篇104篇5節/秩序としての創造/創世記9章16節/創造から見たノアの洪水物語/洪水後の再創造/箴言8章22節/知恵による創造
第6章 抵抗の平和論…………………237
ダニエル書3章18節/ダニエルの友人たちの抵抗/詩篇72篇4節/腐敗した権力への抵抗/創世記1章2節/神の支配としての創造
終 章 新約聖書を「神のことば」として告白する者として…………………272
著者・訳者など:南野浩則
判型:四六判
ページ数:288頁
ISBN:978-4-264-04383-6
南野浩則(みなみの ひろのり)
1963年 大阪市生まれ
1994年 福音聖書神学校卒業
2001年 M Div. (Old Testament)Mennonite
Brethren Biblical Seminary, Fresno, CA
2005年 Ph. D. (Old Testament) University of
Aberdeen, Scotland, UK
現 在 日本メノナイトブレザレン教団福音聖書
神学校教務、日本メノナイトブレザレン
教団石橋キリスト教会副牧師、大阪聖書
学院非常勤講師、Asia Graduate School
of Theology/ Japan 講師
東京ミッション研究所理事講師、Asia Graduate School of Theology/ Japan 講師、東京ミッション研究所理事。
著作『十戒 シナイ契約・律法と山上の説教』『聖書を解釈するということ』(いのちのことば社)他